弓道部について
目次
弓道
流派について
名古屋大学弓道部は、尾州竹林流という斜面打起しの流派で引いています。
斜面打起しで有名なのは日置流ですが、日置流とは打起し方が全く違います。日置流の多くの派では弓構えの時点で大三まで引いてしまうのに対し、尾州竹林流では本矧までしか引きません。詳しくは、ギャラリーを見てみてください。
試合について
大学では試合はいろいろありますが、ここでは一番主となるであろうリーグ戦について、少しだけ紹介します。
東海学生弓道連盟に加盟している弓道部は、Ⅰ部からⅤ部に割り振られています。1つの部(ブロック)に4~5校の大学が所属しています。
現在名古屋大学は、男子、女子共にⅠ部に所属しています。
毎年、9月~10月の2か月、日曜日に大学対大学の形式で1週につき1試合が行われ、その勝敗数で順位を決します。リーグ優勝校は上部リーグ最下位校と入れ替え戦を行い、またⅠ部リーグ優勝校は、11月末に伊勢神宮で行われる学生王座決定戦の東海地区代表に選ばれます。
リーグ戦の試合形式は、男子が8人制(4人立×2立)、女子が3人制で、各自20射の男子160射女子60射です。特に男子は選手数も射数も多く、その大学の総合力が試されます。
大学弓道について
大学弓道は総合力が試される総力戦です。高校と違って、矢声と呼ばれる応援が認められている、ということは、知っている人も少なくないと思います。「”静”の武道である弓道で応援なんて…」と抵抗があるかもしれませんが、そこには部員一人一人が一丸となって勝利をつかみ取るという、他にはない良さがあります。
部活
部活の様子
名古屋大学弓道部は、東海地区でも有数の歴史ある部です。
私たちは、Ⅰ部復帰・試合での勝利を目標とし、日々練習に取り組んでいます。練習中は全員真剣で、厳しい雰囲気さえ漂っています。しかし、練習外では、部室で談笑したり、明るい雰囲気でやっています。
最低限の礼儀はわきまえなければいけませんが、それはあくまで一般常識の範囲であり、「体育会系」という言葉が連想させるような理不尽な上下関係は一切ありません。
道場について
道場は6人立で、広くもなく狭くもない、という感じです。
使える時間は7:30~20:15(授業日は21:15まで)となっています。この時間ならいつでも引けるので、授業の空きコマや昼休みに練習することもできます。空き時間はすべて弓道の練習をしたい!という弓道好きな人には、深夜や早朝以外ならいつでも引ける道場があるのは、大きな魅力だと思います。
道場の外観などは、ギャラリーを見てみてください。
練習について
※現在、コロナウイルスの流行により課外活動が制限されているため、通練、全練は行っていません。一度に道場に入れる人数が制限されているため、時間帯ごとに練習する部員を決め、感染症対策を講じながら練習を行っています。
月・火・水・木・金曜日は通常練習、土曜日に全体練習を行っています。
通常練習は、授業が始まるまでは8:30~12:00頃まで、授業日は18:00~19:00頃まで行っています。基本的には立練を8射程度しています。時期によっては、その日の的中の上位者を選抜してさらに4~8射したり、坐射を行ったりします。
通常練習は、平日5日中2日以上参加となります(もちろん、やむを得ない事情がある場合は、主将の許可を得た上で1日以下の参加とすることは可能です。)。
全体練習は、全員参加の練習で、基本的には立練を20射程度行います。
また、試合前には選手練習を行います。選手練習は、試合を想定した練習です。大学の試合の多くは大学対抗戦の総力戦ですから、選手だけでなく選手以外の部員も全員参加し、試合に向けて最終調整をします。
新入生の練習の様子
入部してすぐに弓を引けるようになるわけではありません。まったくの初心者なら、いきなり弓を引くと矢がどこに飛ぶかわからず、危険も伴ってしまいます。ですので、弓を引けるようになるまで、段階を経て練習していきます。中学高校の経験者でも、斜面打起しに転向することになりますので、また基礎を見直す意味も含めて、初心者と同様の段階を踏んでもらうことになります。
徒手
何も持たずに、弓を引く動作や形を覚えます。
ゴム弓
木の棒にゴムを結びつけたゴム弓という道具を使い、これを引っ張ることで少し弓を引くのに近い負荷がかかった状態で、徒手と同じような動作の練習を行います。
素引き
いよいよ、弓を持つことになります。ただし、矢を番(つが)えたり、離したりはしません。
弓道において一番難しいのが、矢をまっすぐに飛ばすこと(離れをまっすぐに出すこと)です。次の巻藁では、実際に矢を番えて離れを出すことになります。でも、いきなりこれをやると、弦が顔にぶつかったり、矢があらぬ方向に飛んだりして、危険です。そんな危険をなくすために、素引きでは弓を引くだけの練習をし、離れを出すための基礎を作ります。
巻藁
巻藁(直径50cmぐらいに藁を硬く束ねたもの)に向かって、2mぐらいの距離から矢を放ちます。安定してしっかりと矢が飛ぶようになるまで、ここで練習を重ねます。
的前
実際に的に向かって矢を放ちます。ちなみに、的までの距離は28m、的の直径36cm。最初はなかなか中(あた)りません。が、ここで焦りは禁物です。焦らずじっくり基礎を作り上げれば、数ヶ月後には選手として活躍する自分がいることでしょう。
立練
的前での行射に慣れてきたら、いよいよ立練に参加し、上級生と一緒に弓を引くようになります。
もちろん、平均して経験者の方が初心者より早く的前に立てます。かといって弓道経験の長い経験者の方がいつも主力で、初心者では中々試合に出ることも難しい、なんてことはありません。むしろ、初心者の方が素直な分伸びが早く、経験者を追い越すこともよくあります。経験の有無が重要なのではありません。要は、努力次第なんです。